はじめに
昇格面接を控えている人の多くが抱える疑問のひとつが、以下のような点ではないでしょうか。

面接官の好みで合否が決まるのでは…
しかし、実際は昇格面接には明確な評価基準が存在します。
企業ごとに多少の違いはあるものの、評価項目に基づいて面接官は判断するのが一般的です。
つまり、合否は「面接官の気分」ではなく、「企業が求める基準を満たしているかどうか」で決まるのです。
では、その評価項目および基準はどのようなものなのか?
本記事では、試験運営および面接官経験を持つ私が詳しく解説します!
面接官の視点から見る「昇格面接の本質」
昇格面接は、単なる「業務の振り返り」や「人柄チェック」の場ではありません。
企業側にとっての目的は、「この人を昇格させることで、組織にどんなメリットがあるのか?」を見極めることです。
特に管理職やリーダーへの昇進昇格であれば、「業務遂行能力」だけでなく、「組織の成長に貢献できるか」「部下やチームを導けるか」といった観点が重要になります。
そのため、面接官は単に受験者の実績を聞くのではなく「これからの役割を果たせる人物かどうか?」という視点で企業が定めた評価基準に沿ってジャッジをしています。
だからこそ、昇格面接では「企業が何を重視しているのか」を知ることが非常に重要なのです。
評価基準を理解せずに面接を受けるリスク
昇格面接の評価基準を知らずに面接に臨むことは、いわば「どんなルールで採点されるかわからないテストを受ける」ようなものです。
では、具体的にどのようなリスクがあるのか、見ていきましょう。
① ポイントを外した受け答えをしてしまう
評価基準を理解せずに面接を受けると、「何をアピールすべきか」がズレてしまうことがあります。
例えば、「業務スキル」ばかり強調してしまい、「リーダーとしての適性」について話せない ケースはよくあります。
企業は昇格者に「単なる優秀なプレイヤー」ではなく、「組織に貢献できるリーダー候補」を求めています。
そのため、「どれだけ自分が成果を出してきたか」だけを語っても、面接官が求める視点とズレてしまい評価されない場合があります。
② 「なぜ落ちたのかわからない」という結果になる
評価基準を知らないまま面接を受けると、不合格になったときに「何が悪かったのか」がわからず、次に向けた対策を立てづらくなります。
例えば、面接後に「手応えはあったのに落ちた」というケースがよくありますが、これは「評価基準を満たせなかった」 ことが原因になっていることが多いのです。
面接官が見ているポイントを事前に把握していれば、自分のどこを強化すべきかが明確になり、次のチャンスに向けた改善がしやすくなります。
③ 準備不足で「本来の実力」を発揮できない
評価基準を知らずに準備を進めると、実際の面接で何を話せばいいのかわからず、十分にアピールできないことがあります。
例えば、「リーダーシップを発揮した経験を教えてください」 と質問されたときに、適切なエピソードが思い浮かばず、曖昧な回答をしてしまうケースです。
しかし、事前に「リーダーシップの評価基準はこういうものだ」と理解していれば、適切なエピソードを準備し、自信を持って回答することができます。
評価基準の具体例(コミュニケーション能力)
では、具体的に昇進昇格面接の評価項目はどういったものなのでしょうか。
ここでは、代表的な評価項目である「コミュニケーション能力」について解説します。
「コミュニケーション能力」はビジネスパーソンにとっての必須能力です。
昇進昇格面接においても、コミュニケーション能力に関する項目は必ず入っていると言っていいでしょう。
ただし、注意しなければならない点が2つあります。
- 1.企業によって求める能力は異なる
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一言で「コミュニケーション能力」と言っても、企業によって求める能力が違う場合があります。
例えば、お客様相手の職種が多い企業であれば、「相手の話をしっかり聞く力」とともに「伝えたいことを分かりやすく伝える力」も必要になるでしょう。
また、新規事業に多く取り組んでいる企業であれば、「周囲を動かし巻き込む力」「意見をまとめる調整力」が重要になることが予想されます。
このように、各企業が重視する「コミュニケーション能力」の指す意味が微妙に異なる場合があるのです。
- 2.受験等級よって求める能力は異なる
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同じように、どの等級の試験を受験するのかによっても求められる能力は異なります。
例えば、若手社員に求めるコミュニケーション能力は「相手の話の意図を汲みとる力」や「周囲と良好な関係を構築する力」が挙げられます。
一方で、管理職への昇進試験の場合は、「部下の意見をくみ取り、組織として最適な意思決定をする能力」が求められます。
このように、企業や受験等級ごとに面接試験の評価項目は異なります。
そのため、評価項目と基準を適切に理解することが非常に重要です。



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まとめ
昇格面接は「面接官の好み」で決まるものではなく、明確な評価基準に基づいて判断されています。
しかし、その評価基準を知らずに受験してしまうと、せっかくの実力を正しくアピールできず、不合格になってしまうこともあります。
昇格面接は、「実力がある人が自動的に通るもの」ではなく、「実力を適切に伝えられる人が通るもの」です。
面接官の視点や評価基準を理解したうえで対策をすれば、合格の可能性は大きく高まります。
ぜひ、この知識を活かして、昇格面接に自信を持って臨んでください!